「BAFTA Young Game Designers」を勝ち抜いたティーンクリエイターたち(2022年度)

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2022年度の「BAFTA Young Game Designers」(以下、BAFTA YGD)の受賞者が日本時間7月1日(金)に発表されました

https://www.youtube.com/watch?v=mCZ_IBD2UKg

今年12回目の開催となるBAFTA YGDは、18歳以下のクリエイターを対象としたイギリスのゲームアワード。英国映画テレビ芸術アカデミー(British Academy of Film and Television Arts)が主催し、ティーンならではの視点から生まれる示唆に富んだ作品の数々に例年多くの注目が集まっています。

その話題ぶりは国内大手メディアのBBCにも取り上げられるほどで、ゲーム業界のみならずイギリスの社会全体が関心を寄せるイベントであることがうかがえます。そんな同アワードにおける本年度の受賞者を部門別に見ていきましょう。

『It Takes Two』のJosef Fares、『Inscryption』のDaniel Mullinsといった豪華クリエイター陣からも激励のコメントが

カテゴリーはあわせて4部門。「The Game Concept(ゲームコンセプト)」と「The Game Making(ゲームメイキング)」の2種に分かれており、それぞれ10~14歳と15~18歳の年齢別に枠が設けられています。

まずはゲームコンセプト部門から。10~14歳の枠を勝ち抜いたのは、13歳のJasmine Guan。ディストピア的世界観とピクロス型パズルを融合させ、自身の過去や真実を解き明かしていく『Tiled in Twilight』で今回最年少の受賞者に抜擢されました。ギークさ漂うチャーミングな受賞コメントも必見。

15~18歳の枠においては、18歳のJaime Williamsによる『Carrier Pigeon: World Tour』が受賞。伝書バトとなって世界のあちこちを飛び回りながら落ち着いたムードの旅を楽しむ作品となるそうです。

道中では各地の文化や気候に触れられるほか愛や喪失、自己の探求といった題材も盛り込まれているとのこと。ちなみに彼女は2017年度のBAFTA YGDでもゲームメイキング部門(10~14歳枠)のファイナリストにノミネートされています

続いてゲームメイキング部門。10~14歳の枠では、14歳のAlfie Wilkinsonが『Egglien』で勝利を収めました。卵を産む動作が移動と攻撃を兼ねたエイリアンのアクションゲームとなっており、こちらは実際にプレイすることも可能。触ってみると心地よい独特の操作性と完成度の高さに驚くことでしょう。

15~18歳の枠で賞に輝いたのは、15歳のAndrew Ah-Wengが手がけた『Space Boids』。遊ぶたびに報酬の内容が変化するランダム要素を取り入れたローグライクシューティングです。ウェーブの幕間では自機の強化もでき、シンプルなビジュアルながら奥深いゲーム性で昨年度に続き2連覇を果たしました。ダウンロードはこちらから

以上、今年の受賞4作品をダイジェストでお届けしました。BAFTA YGDの公式サイトでは各部門のノミネート作も確認できるので、興味のある方はのぞいてみてください。環境問題の解決に物理パワーで挑む『EcoWarriors』、手づくり感あふれるコンセプトアートがかわいい『Umbrella Blast』あたりが個人的には見てみたいと思いました。

今回は若干傾向が薄めでしたが、例年は社会的イシューを扱った作品や教育的なテーマを含んだものも少なからず選出されており、昨年度以前の受賞作についてもどこかで紹介する機会を設けたいところです。

なお本アワードの受賞作はマンチェスターのScience and Industry Museumで展示が予定されているほか、受賞者およびファイナリストはBAFTAが主催する育成コースへの参加権や業界のプロフェッショナルによるメンター制度を利用できるとのことです。